10/02/20 11:16:15
◇遺伝子壊し、機能変化 京大グループ、ウイルス抑制酵素発見
細胞内のゲノム(全遺伝情報)の上を動き回って遺伝子を壊したり機能を変化させるウイルスの
動き(転移)を抑える酵素を、京都大ウイルス研究所の眞貝洋一教授(分子生物学)のグループが見つけた。
iPS(人工多能性幹)細胞に効果的に遺伝子を組み込む技術の開発にもつながる成果で、
英科学誌「ネイチャー」で18日発表する。
哺乳(ほにゅう)類のゲノムには、進化の過程で取り込まれた「内在性レトロウイルス」が
潜り込んでいる。ときにゲノムの他の場所に転移して遺伝子配列を乱し、突然変異などを
引き起こしてきたが、人の体細胞内ではウイルスのDNAが封印(DNAメチル化)され、
発現が抑えられている。
眞貝教授らは、DNAの封印が解かれているES(胚(はい)性幹)細胞でも、
レトロウイルスの転移が抑えられていることに注目。
DNAが巻き付く「糸巻きタンパク質」ヒストンをメチル化し、DNAをほどきにくくすることで
発現を抑える酵素ESETが働くことで、レトロウイルスの転移が抑えられていることを確かめた。
眞貝教授は「iPS細胞も、ヒストンのメチル化でウイルスの転移を抑えている可能性がある。
酵素の働きを抑えれば、ウイルスによる効率的な遺伝子導入ができるかもしれない」としている。
▽記事引用元
URLリンク(kyoto-np.jp)
京都新聞(URLリンク(kyoto-np.jp))Kyoto Shimbun 2010年02月18日(木)
▽関連リンク
京都大学
内在性レトロウイルスを抑え込む仕組みを解明
URLリンク(www.kyoto-u.ac.jp)