10/02/18 06:20:35
染色体の両端部「テロメア」が異常に短くなる難病の患者の皮膚細胞から人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作り、
長さを回復させることに、米ボストン小児病院などのチームが成功した。テロメアは老化や細胞のがん化に
かかわることが知られており、生命活動の営み解明やがん治療に役立つ可能性がある。
17日付の英科学誌ネイチャー電子版で発表した。
チームは、先天性角化異常症という遺伝性疾患に着目。テロメアを維持する酵素「テロメラーゼ」が不足して
テロメアが短くなる難病で、老化が早まるほか貧血や皮膚の異常などが起こる。患者3人の皮膚細胞を採取し、
山中伸弥・京都大教授が開発した4種類の遺伝子を導入する方法でiPS細胞を作成した。
その結果、患者の元の細胞では、テロメラーゼを構成する分子の一部が不足しているにもかかわらず、
iPS細胞ではテロメラーゼが正常に働くようになることを突き止めた。
また、テロメアが修復され、正常の長さに戻ることも発見した。
テロメアは、細胞が分裂するたびに少しずつ短くなる。
チームは「老化現象の解明にも役立てたい」としている。【須田桃子】
(毎日jp)
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