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緑化で都心涼しく ヒートアイランド現象に変化…大和田・愛教大特別教授ら
暑さの中心、郊外に移動 ドーナツ状に
都心を中心に気温の高い地域が同心円状に広がっていた名古屋のヒートアイランド現象が、
2000年以降、暑さの中心は周辺部に移動し、都心を取り囲むようなドーナツ状になっている
ことを、愛知教育大の大和田道雄特別教授(気候学)の研究グループが突き止めた。
逆に緑化が進んだ都心部では周辺に比べて涼しい「クールスポット」ができており、
大和田特別教授は緑化推進がヒートアイランドを克服する決め手になると指摘している。
3月27日から東京で開かれる日本地理学会で報告する。
(高貝丈滋)
大和田特別教授によると、名古屋では1970年代から90年代にかけて、都心と郊外の最高気温
の差が2度から5度に上昇し、温度差が拡大する傾向にあった。気温分布の形も中区栄地区を
中心に同心円状に広がり、郊外にいくに従って温度は下がっていた。
同教授のグループは、08年と09年の8月、夏型の気圧配置になった日を選んでそれぞれ
2日ずつ、名古屋と周辺6市町の計48地点で30人が参加して最高気温を調べた。
その結果、周辺部の西、北区で38度、千種、港区では37度と高い気温となり、
ヒートアイランドが周辺部に広がっていた。
一方、中区栄や東区、昭和区の一部などは35度とやや低く、中心部にはクールスポットが
できていた。また、ヒートアイランド現象は春日井市や東郷町といった市外にも広がっていた。
同教授はこれについて、70年代~90年代は市中心部で地面のアスファルト化や高層ビルの
建設が進んだためヒートアイランド現象が著しくなったが、近年は街路樹による緑化が進んだ
ことや、街路樹が大きくなれない要因になっていた電線の地中化に伴って、とりわけ都心の
公園などでは大きな木が育ってきているのが原因、と指摘。
「街路樹が成長し、緑化が進めば、都市の気温は低く抑えられることがはっきりした。
今後も行政と連係して、緑化政策を進めるべきだ」としている。
〈ヒートアイランド現象〉 エアコンや自動車、アスファルト舗装など、都市部に集中する
人工的な要素で引き起こされる気温上昇で、冬場は最低気温の上昇といった形で現れる。
都心部の気温が島のように盛り上がるため、この名前がついた。
(2010年2月9日 読売新聞)
▽記事引用元
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YOMIURI ONLINE(URLリンク(www.yomiuri.co.jp))
名古屋市の最高気温分布
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