10/01/19 09:28:34
体内でがん細胞が転移する様子などをナノメートル
(ミリメートルの100万分の1)単位で撮影する装置を、
東北大の権田幸祐講師(医工学)らが開発した。
動画としては世界最高精度とされ、がん転移のメカニズム解明や
抗がん剤開発に役立つ成果という。
19日の米科学誌「ジャーナル オブ バイオロジカルケミストリー」に発表する。
体の働きを調節するたんぱく質や薬の分子1個は数~数十ナノ・メートルと
微小。そこで権田講師らは生きた動物の一部を切開し、9ナノ・メートル四方まで
分解して撮影できる装置を製作。
さらに、心拍などの影響をほとんど受けないように撮影法を改良した。
権田講師らは、マウスの腰に移植した人の乳がん細胞の表面を
蛍光粒子で着色して転移の過程を観察。一部のがん細胞が元の固まりから
抜け出した後、近くの血管に入り込み、内壁にへばりつくまでをとらえた。
がん細胞が移動に使う触手のような突起を出したり、
細い血管を通り抜けるために体を細めたりする様子も観察。
がん細胞表面のたんぱく質が、血管に近づくほど活発に動くことも
確認できた。
権田講師は「抗がん剤や細胞中のたんぱく質の動きも撮影できる」としている。
ソース:読売新聞
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画像(河北新報)
マウス内で血管(左下の点線部分)に近づくがん細胞(右上)。右下の棒は長さが1万ナノメートル
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血管に近づくがん細胞の拡大図。進行方向に向かって、足のようなもの(矢印)が出ている
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