10/01/12 18:32:31
最新の研究によると、悪事は栄えないが、悪事を罰する者は得をするようだ。
オスの“掃除魚”が食事を邪魔したメスを罰することがわかり、第三者の罰行動で
利益を得る生物の存在を示す初めての証拠となった。
自分よりも体の大きい様々なクライアント(顧客)が“クリーニング・ステーション”に立ち寄ると、
掃除魚(そうじうお)はクライアントの寄生虫を食べて掃除するが、クライアントの美味な
粘液層をつまみ食いすることは掃除魚にとってマナー違反である。
粘液層をかじり取るとクライアントが逃げてしまうため、たった1匹の掃除魚の裏切り行為が
仲間の食事を奪ってしまう可能性があるのだ。
スイスにあるヌーシャテル大学の行動生態学者でこの研究の共著者である
ルドウアン・ブシャリ氏は「メスがクライアントを欺けばオスが損失を被るため、
オスは悪行を正すのだ」と語る。
だからといって、オスがいつも立派というわけではない。
オスも裏切りを働くが、単にメスの方が弱いため、ほとんどの場合罰を受けるのはメスなのだ。
「(ボクシング元ヘビー級チャンピオンの)マイク・タイソンと一緒に仕事をしているとしよう。
あなたが“ズル”をすればタイソンはあなたを罰するだろうが、彼がズルをしても
多分あなたは何もできないだろう」。
これまでにも、野生のオスの掃除魚がクライアントの粘液質を食べたメスを追いかけ回す
場面は観察されていたが、オスが実際にメスを罰しているのか否かを確認するために
ブシャリ氏の研究チームは実験を行った。水槽のホソメワケベラに、食べ飽きた
いつもの餌である魚肉の断片と、粘液質と同じくらいおいしいエビとを与え、
メスがエビを食べるたびにすべての餌を水槽から取り出した。
その結果、エビを食べたメスはオスから厳しい罰を受け、オスに従ってエビを食べるのを
止めた。
>>2へつづく
ソース:ナショナルジオグラフィックニュース
URLリンク(www.nationalgeographic.co.jp)
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Science
Punishers Benefit From Third-Party Punishment in Fish
URLリンク(www.sciencemag.org)