09/12/10 10:07:30
植物の表面にある二酸化炭素を吸収する穴「気孔」の数を増やす方法を、
京都大大学院理学研究科の西村いくこ教授(植物分子細胞生物学)らの研究チームが
世界で初めて発見し、10日付(日本時間)の英科学誌「ネイチャー」(電子版)に掲載された。
気孔は、二酸化炭素を吸い込むことによって光合成を助ける役割を持つ。
気孔を増やして二酸化炭素の吸収率が上がれば、植物内で生産されるデンプンが多くなり
作物の増産につながるほか、地球温暖化問題の改善にもつながりそうだ。
研究チームは、アブラナ科の植物「シロイヌナズナ」を使用して、気孔ができるときに
植物内で働く遺伝子やタンパク質を調査。結果、気孔の形成に強く働く特定のタンパク質
「ストマジェン」を発見した。
研究チームは、発芽直後のシロイヌナズナの種を、ストマジェンの水溶液に2~3日間つけて
培養。種が成長して葉がはえたとき、同水溶液で培養しなかった同じ種に比べて
気孔の数が3~4倍多いことを突き止めた。
研究チームによると、ストマジェンは化学合成で人工的に生成でき、実用化も比較的簡単という。
西村教授は「気孔は増やしすぎたら逆に成長に悪影響を与えるので、2~3倍の増加が適量」
と説明。その上で「水溶液を与えるという簡単な方法で気孔を増やすことができるのは画期的。
今後は低価格でストマジェンを作る方法を考えないといけない」と話している。
ソース:産経ニュース
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