09/12/08 10:49:04
小麦粉の製粉過程で発生する副産物で、これまで捨てられることが多かった
小麦の種皮「ふすま」から、血圧を下げる作用のあるペプチドが得られることを、
近畿中国四国農業研究センター(福山市西深津町)の野方洋一主任研究員(46)が発見し、
企業と共に機能性食品の製品化に乗り出す。
ふすまと水だけを使って、低コストで効率的にペプチドを作る手法も開発済みで、
資源の有効活用につながると期待されている。
同センターによると、国内でのふすまの生産量は年間130万~160万トン。
一部は家畜の飼料や、のり、油の原料などに活用されているものの、残りの約7割は
廃棄処分されている。
野方さんらは、ふすまの有効活用法を探るため、2006年に研究に着手した。
その結果、ふすまと水を混ぜて、一定の酸性度(pH3・2)と水温40度の条件に保つと、
ふすま自体に含まれる酵素の働きでふすまに含まれるたんぱく質が自己分解され、
血圧降下作用のある6種類のペプチドが出来ることを突き止めた。
このうち一つは新発見のペプチドで、「イソロイシルグルタミルプロリン」と名付けた。
従来の機能性食品などで使用される血圧降下作用のあるペプチドは、作り出す際に
原材料のイワシやワカメなどを粉砕して酵素を加えなければならず、手間とコストが
かかっていた。これに対し、今回開発された方法は、ペプチド20~30グラムを作るのに
必要な材料が、約1キロのふすま(25円相当)と水だけで済むなど
簡便で安価な点がメリットという。
同センターは08年5月にペプチドの製法などに関する特許を申請し、今年3月から公開中。
今月末には滋賀県甲賀市の健康食品会社と製品化に向けた共同研究が始まるという。
野方さんは「製粉会社などとも共同研究を行い、資源の有効活用を図りたい」としている。
ソース:読売新聞
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)
画像:血圧降下作用のペプチドが得られることが分かった「ふすま」
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近畿中国四国農業研究センター
小麦ふすま、大麦糠、米糠からの新規血圧降下ペプチドとその製造方法(PDF形式)
URLリンク(wenarc.naro.affrc.go.jp)