09/11/20 14:53:37
ぐっすり眠っている人の脳に刺激を与えることで、特定の記憶を強化できることを、
米ノースウエスタン大のチームが実験で確かめた。睡眠学習への応用も期待できそうだ。
20日付の米科学誌サイエンスに掲載された。
実験は19~24歳の男女12人に実施した。コンピューター画面のさまざまな場所に、
割れたグラスやヘリコプター、猫など50種類の絵が順番に現れ、
猫の絵を表示している間には鳴き声など関連する音を聞かせて、表示位置を覚えてもらった。
1度目のテストの後、全員が約1時間の昼寝をした。「ノンレム睡眠」と呼ばれる深い睡眠のうち、
眠りがさらに深まった段階で、50個中25個の音を聞かせた。
目覚めた後に2度目のテストをしたところ、睡眠中に音を聞かせた25個の方が、
聞かせなかった25個より表示位置を正確に覚えていた。
しかし被験者は、睡眠中に音を聞いた認識がなかった。
チームは別の12人に同じ学習をさせ、昼寝の代わりに別の作業をしながら25個の音を聞かせた。
2度目のテストの成績は、音を聞かせた絵とそうでない絵との間で差は見られなかった。
睡眠中の脳が大量の情報を取捨選択して定着させていることは、脳が働いて体が休んでいる
浅い眠りの「レム睡眠」中と考えられていたが、脳も体も休んでいる「ノンレム睡眠」中では、
詳しくは分かっていない。
脳と記憶の関連を研究している科学技術振興機構の黒谷亨(くろたに・とおる)研究員(神経生理学)は
「脳が休んでいるはずの深い睡眠中にも、別のモードで脳は活動しているようだ。
記憶を定着させる新しい仕組みの解明につながるかもしれない」と話す。
ソース:毎日新聞
URLリンク(mainichi.jp)
Strengthening Individual Memories by Reactivating Them During Sleep
URLリンク(www.sciencemag.org)