09/11/20 14:46:37
地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の増加で北極海の酸性化が進み、
小型貝類などの生息が危ぶまれる水準に初めて達したことが、
海洋研究開発機構とカナダ海洋科学研究所の研究で分かった。
海の食物連鎖に影響を与えかねないと警鐘を鳴らしている。
20日の米科学誌サイエンスで発表した。
チームはカナダと米アラスカ州の北側にある北極海カナダ海盆海域で97年と08年、
海面下20メートル以内の海水を採取して比較した。
その結果、海水中の炭酸イオン濃度の低下が判明した。
大気中のCO2が増えて海に溶けると、海水が弱酸性になり、
中和するため炭酸イオンが消費されたためとみられる。
炭酸イオンは貝殻やサンゴの骨格などの炭酸カルシウム形成に不可欠で、
不足すると貝殻が溶けるなどの影響が出かねない。この海域は現在、世界で唯一、
炭酸カルシウムが溶けやすい炭酸イオンの「未飽和状態」にあるという。
一方、この海域では、温暖化で海氷が解けてできた真水が海水を薄め、
炭酸イオン濃度を下げていることも分かった。
チームは「大気中のCO2増加による酸性化と真水の増加の相乗効果で、
炭酸イオン濃度低下が進んでいる。小型貝類の生育に影響が出れば、
それを食べる大型生物も無関係ではない」と話している。
ソース:毎日新聞
URLリンク(mainichi.jp)
海洋研究開発機構 プレスリリース
北極海が炭酸カルシウムの殻を持つ海洋生物にとって住みにくい海になっていることを初めて発見
~海洋酸性化と海氷融解の二重の影響~
URLリンク(www.jamstec.go.jp)
Aragonite Undersaturation in the Arctic Ocean: Effects of Ocean Acidification and Sea Ice Melt
URLリンク(www.sciencemag.org)