09/11/23 10:20:20 Vm39j6N3
ヴェルグルの奇跡
時は 1932年、世界恐慌直後の、オーストリアはヴェルグルという、
当時の人口4300人ほどの町でのお話。
それは、住民の失業率9%、町の負債総額一億三千万シリングという、
悲惨な状態を立て直すために投入された奥の手だった。
種明かしをすれば、「毎月1%ずつ価値が減って行くお金」というものを発行したのだ。
このお金は、使わずに貯めておくと価値が減ってしまう。
だから皆、進んで次の品物やサービスの注文にお金を使う。
するとそこで、一稼ぎで喜ぶ人が生まれる。
受け取った人もまた、期限が来る前に早く次の人に渡してしまおうとするから、
同じお金が人から人へ、渡されるスピードが早くなる。
こうして早いスピードで実現される仕事の量が増えることになった。
その結果、ヴェルグルでは、わずか1年ほどの間に、住民の完全雇用達成、
町の税収は八倍増で負債は解消。
多くの商売が栄えた上に、後世に残る立派な建築・土木工事が数多く実現し、
「ヴェルグルの奇跡」と言われたのだった。