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RNA干渉や筋肉の衰え 宇宙で仕組み検証 東北大
東北大大学院生命科学研究科の東谷篤志教授(ゲノム継承システム)らの研究グループは、RNAの
断片を細胞内に入れ、遺伝子の働きを抑える「RNA干渉」の効果を宇宙空間で検証する実験を近く始める。
併せて筋肉が衰える仕組みの解明にも挑み、人間が宇宙で生活を送る際の医療研究に役立てる。
RNA干渉は現在、注目される遺伝子治療の一つ。人為的に入れたRNAの断片によって遺伝情報を
写し取るRNAの働きを抑えて、病気などの原因となる特定のタンパク質の合成を抑制させる。
宇宙でも有効であれば宇宙滞在中の病気治療にも有効な手段となる。
さらに筋力低下に関する遺伝子なども詳しく分析する。仕組みが解明できればRNA干渉によって筋肉を
分解する酵素の生成を抑制し、宇宙での筋肉の衰えを防げる可能性があるという。
実験は宇宙航空研究開発機構と共同で実施。米航空宇宙局(NASA)が16日打ち上げ予定のスペース
シャトルで実験素材を運び、国際宇宙ステーションの実験棟「きぼう」で宇宙飛行士に操作してもらう。
実験ではRNAの断片を細胞内に入れた体長約1ミリの線虫を使う。線虫は全遺伝情報が解明されており、
研究のモデル生物とされる。3~4日で成虫になるため、子や孫の状況も容易に追跡できる。
研究グループは約1万匹の線虫と餌となる大腸菌を入れた袋を60パック準備。宇宙での実験で1世代目、
2世代目が成虫になった段階でそれぞれ冷凍して保存し、後に帰還するシャトルに搭載する。
地球到着後に解凍し、線虫の状態を解析する。
東谷教授は「筋肉が衰える仕組みが解明できれば、宇宙空間だけでなく寝たきりによる筋肉の衰えの治療
にも応用できる可能性がある」と話している。
■ソース:河北新報 2009年11月08日日曜日
URLリンク(www.kahoku.co.jp)
■東北大学大学院|生命科学研究科
URLリンク(www.lifesci.tohoku.ac.jp)
▼国際宇宙ステーション「きぼう」における線虫宇宙実験
URLリンク(www.lifesci.tohoku.ac.jp)
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