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岡山大大学院教育学研究科の石川彰彦准教授(有機合成化学)らのグループが、
抗インフルエンザウイルス薬タミフルを安価な原料で合成する方法を開発した。
タミフルの製造は植物由来の原料が使われ、供給が不安定で原料代は高騰しがち。石川准教授らは、
実験室レベルで2通りの原料から合成に成功。いずれも、原料が安定して入手でき、
安価なことが特徴という。
タミフルは、シキミ科の植物トウシキミから抽出されるシキミ酸を原料に合成。
トウシキミは主に中国で栽培されているが、天候に生産量が左右されるうえ、タミフルの需要増加により、
枯渇する可能性が指摘されている。
石川准教授らは、食品添加物に使われる有機化合物「D―酒石酸」と、点滴や錠剤などに使われる糖類
「D―マンニトール」から、それぞれタミフルを合成する方法を開発した。
石川准教授によると、シキミ酸から合成する場合と比べ、工程数は7~9工程とほぼ変わらず、
D―マンニトールの場合は原料価格が3千分の1に抑えられるという。
今後は実用化に向け、合成の効率を高めるなど改良を重ねるという。
タミフルは2017年ごろには特許が切れ、後発医薬品(ジェネリック)としての製造販売が可能になる。
国内外で10以上のグループが、シキミ酸を用いない新規合成法の開発に取り組んでいる。
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