09/07/26 23:14:06
◇大量失踪の原因? 佐賀のミツバチからウイルス
佐賀大・早川教授ら検出、発症は未確認
米国などでミツバチが突然いなくなるCCD(蜂群崩壊症候群)の一因として疑われている
ウイルスを、佐賀大教授と国立感染症研究所(東京都)の研究員らの共同研究グループが、
佐賀市内で飼養していたミツバチから検出した。大量失踪(しっそう)した巣箱に残った死骸
(しがい)などから検出したが、ウイルスが死んだ原因かどうかは確認できていない。
共同研究したのは佐賀大学農学部の早川洋一教授と国立感染症研究所の水谷哲也主任
研究官ら。佐賀市内で2月に大量失踪した蜂群の巣箱に残っていた死んだ10検体と、
同市内の別の養蜂業者の健全な10検体を調べた。
死んだ5検体と健全な1検体からは、羽根が縮れて体が成長しない原因となる「DWV」か、
自らの命を犠牲に外敵から蜂群を守るハチなどが感染する「KV」とみられるウイルスを検出した。
死んだ5検体のうちの1検体からは別のウイルスも見つかった。
麻痺させ、巣の外で死に至らしめる「IAPV」か、気管細胞死などを起こして殺す「KBV」-の
いずれかであることを特定した。
米国で発生しているCCDの原因は、ウイルスや農薬、ダニなど諸説がいわれている。
農研機構・畜産草地研究所(茨城県)は「最近の研究ではほとんどのミツバチが何らかの
ウイルスを持っている可能性がわかってきた」としながら、「米国の研究では『IAPVとKBVは
CCDとの関連性が高い』と考えられるデータもある」という。
今回調べた検体がこれらのウイルスの発症によって死に至ったかどうかまでは研究していない。
失踪した蜂群を飼っていた農家によると、巣箱8箱のうち7箱からほとんどのミツバチが消えていた。
約30年間、蜂を飼い、初めての体験だったという。
早川教授らは、山田養蜂場(岡山県)から研究費助成を受け、ミツバチが感染する9種類の
ウイルスを総合的に検出する方法を探っていた。この過程で佐賀市のミツバチを調べた。
早川教授は佐賀市の失踪とCCDが「同じものかどうかはわからない」としつつ、これらの症状が
「農薬などほかの要因と重なったことで、普段は悪さをしないウイルスが影響して大量死に
つながっているのではないか」とみている。
2009年07月26日更新
▽記事引用元
URLリンク(www.saga-s.co.jp)
佐賀新聞(URLリンク(www.saga-s.co.jp))配信
【写真】農家が飼養するミツバチ。この農家のミツバチが今年2月に大量死した=佐賀市内
URLリンク(www.saga-s.co.jp)