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<テラヘルツ波新レーザー実現へ 東北大・会津大グループ>
東北大電気通信研究所の尾辻泰一教授(テラヘルツ電子工学)らの研究グループは
「グラフェン」を使い、室温でテラヘルツ波を放射させることに成功した。
この原理を応用すれば、テラヘルツ波レーザーを実現できるという。
尾辻教授は「安定したテラヘルツ波を連続で出せれば、超高速無線通信も可能になる」
と話している。
会津大コンピュータ理工学部のリズィー・ビクトール教授(光電子デバイス)らのグループと
共同で研究した。
現在のテラヘルツ波レーザーは、マイナス90度以下で作動する仕組み。
医療分野などで実用化されているテラヘルツ波は室温で使用されるが、
連続発振が困難な上、小型化が難しい。
研究グループは、シリコン基板にグラフェンを張り付けて赤外線レーザーを照射。
ある一定の値以上の強度で赤外線を当てると、レーザーの性質である電磁波の波形(位相)が
そろったテラヘルツ波が放射されることを発見した。
今後は赤外線の代わりに、電池など電気的な力によってテラヘルツ波レーザーの放射を目指す。
共振器にグラフェンを閉じ込めることで、室温における連続発振の実現に近づくという。
尾辻教授は「この手法なら装置の小型化も可能。これらの課題を調整すれば、
超高速の次世代携帯電話が実現できる」と話した。
研究成果は19日にドイツで開かれた「レーザーと電子光学に関する欧州国際会議」で発表した。
[グラフェン] 炭素原子が六角形の網目状に並んだシート状態の物質。
極めて高い電子輸送特性を有し、半導体に代わる素材として注目されている。
グラフェンが何層も重なったものがグラファイト。
[テラヘルツ波] 1秒間に1兆回ほど振動する電磁波。電波と光波の中間の周波数帯にある。
情報通信分野のほか、物質を透過する性質を利用して封筒内の毒物検査、がん組織の選別
などセキュリティーや医療の分野でも実用化されている。
2009年06月22日月曜日
▽記事引用元:河北新報(URLリンク(www.kahoku.co.jp))
URLリンク(www.kahoku.co.jp)
▽関連リンク
東北大電気通信研究所(URLリンク(www.riec.tohoku.ac.jp))
新材料グラフェンからのテラヘルツ誘導放出に成功
新原理テラヘルツレーザーの実現へ大きく前進
URLリンク(www.riec.tohoku.ac.jp)