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海上保安庁は、八代海において約80個の海丘が密集する極めて珍しい海底の地形を発見しました。
この海丘群は、第十管区海上保安本部所属の測量船「いそしお」による海底地形調査により、
熊本県水俣市から西南西約10キロメートルの海域において発見されました。周辺は水深約30メートルの
平坦な海底で、直径約50メートル、比高約5メートルのほぼ円形の海丘約80個が密集して存在しています。
それぞれの海丘は、形や大きさがほぼ等しく、北西-南東方向に並ぶように配列しています。
このように平坦な海底面に突如として存在している海丘群は、他の海域ではみられない
非常に珍しい地形です。
そこで、この海丘の実態を把握するため、鹿児島海上保安部所属の巡視船「さつま」(船長:日高睦男、
総トン数:1200トン)と同船所属の潜水班による潜水調査を行いました。
潜水調査の結果、海丘の表面全体が貝類などの生物によって、びっしりと覆われていることが
確認されました。一方、海丘以外の平坦な海底には貝類はほとんど棲息していませんでした。
また、表面を掘り下げて確認したところ、内部に生物はみられず、海丘自体は砂や泥によって
構成されているということがわかりました。本調査により採取された貝の一部を
東京水産大学名誉教授奥谷喬司博士に鑑定していただいたところ、牡蠣の仲間であるカキツバタ
(Hyotissa imbricata)という種であることが判明しています。
これまでのところ、この奇妙な海底地形がどのようにして形成されたのかはわかっていません。
身近な海の底にもまだまだ不思議な海底地形や生態系が存在するかもしれません。
海上保安庁(広報資料)
URLリンク(www.kaiho.mlit.go.jp)