09/05/26 09:33:54
どんなタイプのインフルエンザにも効く「万能型」のインフルエンザ治療薬開発を目指して、
高度400キロでの宇宙実験が始まる。
国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」で、
7月から予定されているタンパク質結晶生成実験。
その一つとして、インフルエンザウイルスを構成するタンパク質を、
無重力状態の宇宙空間で結晶化し、創薬につなげる構想だ。
実験を計画しているのは横浜市立大大学院生命ナノシステム科学研究科の
朴三用(パク・サンヨン)准教授らの研究グループ。
宇宙実験の目的は、インフルエンザウイルスが体内で増殖するときに重要な働きをする
RNAポリメラーゼというタンパク質の高品質の結晶を得ることだ。
国内で感染が拡大している新型インフルエンザ(H1N1型)や毒性の強い
高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)などインフルエンザの型は、
ウイルス表面のタンパク質の種類によって決まる。
表面タンパク質は頻繁に変異を起こすため、型に合わせて開発されたワクチンや治療薬は、
新型に対して効かないケースが多い。
豚由来の新型インフルエンザには、今のところ抗インフルエンザ薬「タミフル」や
「リレンザ」が有効だが、鳥由来のH5N1型ではタミフルが効かない耐性ウイルスが現れている。
これに対して、RNAポリメラーゼは「変異を起こしにくい性質を持っている」(朴准教授)という。
このタンパク質の働きを阻害する薬剤が見つかれば、どんなタイプが現れても、
ウイルスの増殖を抑える効果が期待できる。
RNAポリメラーゼは3つの部品(サブユニット)がそろった状態でしか機能しない。
朴さんらは地上での研究で、部品の結合部の構造を解明。
タンパク質の立体構造に合わせた新薬の設計、創薬に向けた次のステップが、結晶の生成だ。
宇宙空間では溶液の対流や沈降が起きないため、不純物や欠陥の少ない良質な結晶が得られる。
宇宙航空研究開発機構はこれまで、ISSのロシアの施設を“間借り”して、
タンパク質の結晶生成実験を行ってきたが、7月からは自前の実験棟「きぼう」で
本格的な実験がスタートする。「メード・イン・宇宙」のタンパク質結晶が、
人類を新型インフルエンザの脅威から解放してくれる日が来るかもしれない。
ソース:産経ニュース
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