09/05/24 13:31:32
新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)かどうかの予備的な判定に多用されている簡易検査キットで、
新型なのに「陰性」と誤判定される例が3割前後もあることが、国立感染症研究所(感染研)などの調査で
明らかになった。発症からの時間経過によって体内のウイルス量が大きく変わるためで、量がピークに
なる発症翌日はほぼ問題ないが、発症当日、発症2日後の検査だと、4割前後がすり抜けていた。
感染研は「陰性でも簡単に新型を否定すべきではない」と指摘。厚生労働省は時期を考慮して使うよう
呼びかけている。
キットは鼻の奥などから採取した粘液を試験紙にたらし、10~15分後の色の変化でA型(新型、香港型、
ソ連型など)、B型のウイルスの有無がわかる。一般的にはキットでA陽性の時だけ、遺伝子検査(PCR
検査)に回される。
感染研によると、PCR検査で新型と確定した神戸市の患者43人のうち、20人(47%)は、キットでA陰性
だった。大阪府の確定患者でも、23人中、7人(30%)がA陰性と誤判定。時期別に見ると、発症翌日は
13%だが、発症当日と2日後は43%にのぼった。
西神戸医療センター(神戸市)も独自に調査。確定患者29人中、7人(24%)が誤判定で、発症後24時間
以内だと35%、24~48時間なら9%に減った。
キットは20社以上が発売。どれも同様の特性がある。このため、発熱直後に新型を疑って医療機関に
駆け込み、簡易検査が陰性でもあまり信頼できず、翌日に再検査するか、医師が症状などで判断する
ことになる。
厚労省新型インフルエンザ対策本部は「キットだけで判断は難しく、臨床医の判断に頼る所が大きい。
迅速で確実な検出技術の開発が必要だ」としている。
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