09/04/09 16:29:01
お面の裏側に存在する凹んだ顔を、普通の凸面の顔として知覚する、
「ホロウマスク錯視」と呼ばれる錯視がある[Hollow face錯視、凹面顔錯視とも呼ばれる]。
下の動画でこの錯視を経験することができるが、それが目の錯覚だと分かっていても、
凹面の顔を凹面と見ることができず、脳が凹面を凸面ととらえてしまう。
この錯視は、人間の脳が視覚世界を解釈する際の戦略によって起こる。
それは、実際に目に見えるもの(ボトムアップ処理と呼ばれる情報処理法)と、
過去の経験に基づいて見えると予想されるもの(トップダウン処理)を組み合わせて判断するという戦略だ。
「トップダウン処理では、ストック写真のモデルのように記憶が蓄積されている」。
『NeuroImage』誌に掲載された今回紹介する論文の執筆者の1人で、ドイツのハノーバー医科大学に
所属するDanai Dima氏は説明する。
「脳内のモデルでは、すべて顔が凸面になっているため、どんな顔を見ても、
当然凸面のはずだと考えてしまう」
この予想の影響力が強いせいで、顔が反転していることを示す視覚的な手がかり、
たとえば影や奥行きといった情報は無視されてしまうのだ。
この錯視は、顔を使った場合にはよく成功するが、他の物体ではそうでもなく、
顔を逆さにしただけでも効果が下がる。これはおそらく、人間が顔に対して持っている
特別な関係性によるものと考えられる。
神経科学者の多くは、人間の脳には顔を専門に処理する領域があると考えており、
そのため、脳の損傷の仕方によっては、視覚や他の記憶には何の影響もないのに、
顔の認識だけができないということも起こり得るという。
>>2へつづく
ソース:wiredvision
URLリンク(wiredvision.jp)
動画
ホロウマスク錯視
凹面の顔を凹面と見ることができず、脳が凹面を凸面ととらえてしまう
URLリンク(www.youtube.com)
ホロウマスク錯視の一例とされる「首振りドラゴン」動画
ペーパークラフトのドラゴンを見ながら動くと、ドラゴンの視線が追いかけてくるように見える
URLリンク(www.youtube.com)