09/04/07 16:24:50
>>1のつづき
Berns氏の論文は、 3月4日付けの『Public Library of Science ONE』に掲載された。
研究チームは、24人の大学生を脳スキャン装置に接続し、受け取りを保証されている金をあきらめて、
それよりも当選金が高額であるような籤(くじ)を引くチャンスを選ぶかどうか考えさせた。
この際、学生自らが決定を下す場合と、米連邦準備銀行(FRB)にも助言している
エモリー大学の経済学者Charles Noussair氏が紙に書いたアドバイスを受け取る場合の
2通りの実験を行なった。
アドバイスはNoussair氏の名前で与えられたが、必ずしもNoussair氏自身が従うような
内容ではなかった。きわめて慎重なアドバイスで、当たる確率と当選金が高くても、籤を引かずに、
保証されている少額の金額を受け取るよう学生に促すことが多かった。
だが学生は、状況に関係なく Noussair氏のアドバイスに従う傾向が見られた―
特に状況が悪い時には。
学生が自分の頭で考えた時には、脳の前帯状皮質と背外側前頭前皮質が活性化していた。
これらは意思決定や計算に関係する部位だ。一方、Noussair氏からアドバイスをもらった時には、
これらの部位は活性化しなかった。
これは、管理された状況下で少数の大学生を対象に行なわれた実験の結果であり、
予備研究でしかないが、その意味するところは常識に沿っている。
Berns氏は投資家たちに、自分で調べて慎重に行動することを勧め、「立派な信用証明書や
財務上の経歴」も、経済に明るいことを保証するものではないことを覚えておくよう勧めている。
一方、将来的には、「意思決定能力が働いていない場合」にそれを知らせる
脳スキャン装置を開発することは可能かもしれない、とBerns氏は述べている。