09/04/03 08:24:36
国内の野生のアライグマの一部が高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に感染していたことが、
東大医科学研究所と山口大の共同研究で分かった。
野生動物のH5N1型の感染例は国内では鳥類が報告されているが、哺乳(ほにゅう)類は初めてとみられる。
野鳥の捕食で感染したとみられ、養鶏場などに侵入すると新たな感染源になる恐れがあり、
対策が求められそうだ。宇都宮市で開催中の日本獣医学会で4日、発表する。
東大医科研の堀本泰介准教授らは、平成17年から西日本、東日本の計4地域で捕獲されたアライグマ
988匹の血液を分析。このうち10検体から、過去にH5N1型に感染したことを示す抗体を検出した。
感染歴があったアライグマの捕獲場所は西日本の2地域と東日本の1地域。
捕獲時期は西日本が18年4~5月、19年6月、20年1月、東日本は20年5~7月だった。
3地域のうち2地域は、これまで鶏や野鳥の感染が報告されていない“空白域”だった。
研究チームは、死んだ渡り鳥などを捕食して感染した可能性があると分析。感染率は全体の1%程度と低いが、
養鶏場への新たな感染源になる恐れがあり、侵入防止策を再確認すべきだとしている。
環境省によると、国内の野生動物でH5N1型の感染が確認されたのはハシブトガラス、クマタカ、
オオハクチョウの鳥類3種だけだった。鳥インフルエンザウイルスが哺乳類の体内などで変異を起こすと、
人に感染する新型ウイルスが生まれる可能性がある。
同省は今回の研究結果について「過去に感染しただけなら緊急性は低いが、情報収集を進めて
今後の対策の参考にしたい。アライグマは他の病原体を持っている恐れもあり、むやみに触れないでほしい」
(野生生物課)としている。
アライグマは北米原産。1960年代からペットとして輸入されたものが捨てられ、ほぼ全国で野生化した。
国の特定外来生物に指定され、各地で駆除が行われているが、繁殖力が強く対策は進んでいない。
ソース:産経ニュース
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画像:2匹のアライグマ
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