09/03/11 07:18:44
タイ中部に生息する野生のカニクイザルの母親が、
子どもの前では普段より大げさなしぐさで「歯磨き」をすることが、
京都大霊長類研究所(愛知県犬山市)の正高信男教授(霊長類行動学)らの研究でわかった。
子どもに手本を示す教育行動とも考えられ、正高教授は「『教育』の起源が、
サルにあった可能性もある」としている。
正高教授らによると、バンコク北東のロブリーの仏教寺院に住むカニクイザルが
約10年前から人間の髪をデンタルフロスのように歯間に差し込み、
カスを取る様子が確認されていた。
調査は昨年2月から2か月間、ロブリーで、1歳の子を持つ母ザル7頭の
歯磨きの様子を映像に記録して実施。その結果、母ザルが子どもと向き合った時は、
髪を口に出し入れしたり、髪を口に入れて歯をかみ合わせたりする平均回数が倍増。
1回の歯磨きの時間も平均2秒長かった。
野生動物が子どもへの教育行動を行う例は、チンパンジーが石で木の実を割ってみせる
ケースが知られているが、ほかにはほとんど例がなく、正高教授は
「子ザルが早期に歯磨きできるようになるかも調べたい」としている。
元京大霊長類研究所長の杉山幸丸・ギニア高等教育科学研究省招聘(しょうへい)教授
(霊長類生態学)の話
「母ザルは何度もしぐさを見せており、子どもに教育効果があるのは間違いないだろう」
ソース:読売新聞
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)
画像:子ザルの前で歯磨きをしてみせる母ザル(左)
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