09/02/26 18:06:32
減量はカロリー次第、炭水化物や脂肪はOK…米研究所
米国立衛生研究所(NIH)の研究チームが、「豊富な食物繊維など心臓に良い食事ならば、体重の減量は
摂取カロリー次第で、炭水化物が多くても脂肪が多くても変わらない」という実験結果を、26日付の米医学
誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表した。
研究チームは、30~70歳の男女の肥満者811人に、4種類の減量法のいずれかを試してもらった。4種類
は、脂肪、たんぱく質、炭水化物の3大栄養素の割合を変えたもの。どれも食物繊維が多く、心臓に悪い
飽和脂肪酸とコレステロールが少ない。
摂取カロリーや運動の目標を各自設けて取り組んだ結果、2年間にわたって平均4キロ・グラムの減量効果を
持続できた。効果は3要素の割合には関係なく、カロリーの摂取量と消費量の差に左右された。
別のチームが一昨年、女性に様々な減量法を1年間比較して、「炭水化物を減らすのが最も効果的」という
結果を発表していた。
ソース
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)
論文要旨
脂肪、タンパク質、および炭水化物の構成が異なった、体重を減らす食事同士の比較
背景:蛋白質、脂肪、または炭水化物を強調するようなダイエットの利点は確立されておらず、1年以上に及ぶ
長期的な研究もほとんどない。
手法:811人の肥満した成人の被験者を、ランダムに4グループに割り振った。各グループは、脂肪、蛋白質、
炭水化物それぞれから得られるエネルギー量を、それぞれ[20%、15%、65%]、[20%、25%、55%]、[40%、
15%、45%]、[40%、25%、35%]という割合にしたものである。食事は、似たようなメニューで構成され、心
血管系の健康のためのガイドラインに沿っている。被験者は、2年間、グループおよび個人の教育セッションを
提供された。主要な結果は、低脂肪vs高脂肪、平均的蛋白質vs高蛋白質、高炭水化物vs低炭水化物の2×2
群で比較した2年後の体重の変化の違いである。
結果:6ヶ月目には、どのグループの被験者も平均6kg、実験開始時の平均体重の7%減っていた。12ヶ月後
には、リバウンドが始まった。2年後まで、蛋白質15%と25%のグループ(各3.0kg、3.6kg減)、脂肪20%と40%
のグループ(各3.3kg、3.3kg減)、炭水化物65%と35%のグループ(各2.9kg、3.4kg減)、全ての比較において
減った体重に有意な差は見られなかった。(全てP>0.20) 実験を完遂した被験者のうち約80%が平均4kg減って
いた。また、被験者のうち14-15%が、実験開始時から10%以上の体重が減っていた。グループセッションに
おける満腹感、空腹感、満足感、出席率は全グループでほぼ同じであった。出席回数が体重減に強く関連して
いた。(1回参加毎に0.2kg減) 食事は、脂質関連の危険因子と空腹時のインスリン値を改善した。
結論:カロリー制限をした食事は、どの栄養素を強調するかに関係なく、医学的に有意な体重の減少をもたら
した。
URLリンク(content.nejm.org)