09/02/25 18:38:18
幼少期に虐待を受けると、ストレスと闘う主要な遺伝子の機能が
弱体化する可能性があるという研究が発表された。
生涯を通じてストレスに弱くなる恐れも否定できない。
この新たな研究では、幼少期に虐待経験がある自殺者とない自殺者、
そして自殺以外の死者の三者間で脳の比較が行われた。
カナダ東部モントリオールにあるマギル大学に在籍し、今回の研究を共同で行った
モシェ・スジフ氏は、「幼少時に虐待を受けると、そのしるしがゲノムに残るようだ」と話す。
この発見は今週、「Nature Neuroscience」誌で発表された。
私たちが両親から受け継ぐ遺伝子は、その機能発現を制御する化学物質(メチル基)によって
しるしが付けられる。研究では、虐待の被害者のDNA自体に変化は認められなかったが、
特定の遺伝子の発現が脆弱化し脳内の鎮静ホルモン分泌が抑えられていたのである。
環境がこの種の影響力を持つという考え方は、エピジェネティクスという
新しい研究分野の重要なポイントである。エピジェネティクスとは、
DNAの塩基配列変化を伴わない遺伝情報の変化を研究する学問である。
「薬や毒などの化学物質ではなく社会環境が遺伝子の発現を変化させるという、
非常に興味深い現象だ。この分野は生命現象の理解にますます重要となるだろう。」と
スジフ氏は言う。
アメリカ南東部ジョージア州アトランタのエモリー大学に在籍し、
ハワード・ヒューズ医学研究所の研究者でもあるケリー・レスラー氏は、次のように説明している。
「成人が患うあらゆる種類の精神疾患において、幼少期の虐待は
最高レベルの危険因子であり、それらすべての精神疾患には遺伝的要因があることが
判明している。そしていま、幼児虐待と遺伝的要因の相互関係が理解されつつある」。
ソース:ナショナルジオグラフィックニュース
URLリンク(www.nationalgeographic.co.jp)