09/02/03 19:43:32
若年期に電子メディアに接しすぎるとうつになりやすい?米研究
若年期にテレビやビデオゲームなどの電子メディアに接する時間が長いほど、うつを発症しやすくなる
おそれがあるという研究が2日、医学誌「Archives of General Psychiatry」に掲載された。
研究を行ったのは米ピッツバーグ大医学部(University of Pittsburgh School of Medicine)の研究
チーム。まだDVDやインターネットが広く普及していなかった1995年。当時うつの症状がなかった10代の
若者4142人について電子メディアに接する時間を調べた。その結果、1日の総接触時間は平均5.68時間
で、内訳はテレビが2.3時間、ラジオが2.34時間、ビデオが0.62時間、コンピューターゲームが0.41時間
だった。
調査対象者の平均年齢が21.8歳に達した7年後に再調査したところ、308人(7.4%)にうつ病の症状が
みられたという。
研究チームは、統計モデルによる分析の結果、テレビの視聴時間が長いほどうつの発症頻度が高まる
ことが分かったとしている。さらにテレビ以外も含めて電子メディアに接触した時間が長いほど、発症
頻度が高かかったという。
性別では、電子メディアへの接触時間が同じ場合、女性のうつ発症頻度は男性よりも低かった。
調査チームは、電子メディアに長時間接することで、スポーツや社会活動、知的活動の時間が少なく
なったのではないかと指摘し、達成感や社会との関わりを実感できるような活動をすることで、うつになり
にくくなる可能性があるとしている。
ソース
URLリンク(www.afpbb.com)
論文要旨
一定のメディアとの接触が精神的な症状の存在と関連付けられてきているのに、メディアとの接触と
鬱病の関係はほとんど調べられていなかった。
そこで、本研究では、国内の代表的なサンプルを用いて、思春期のメディアとの接触と青年期の鬱病
との関連を評価することを目的とした縦断的コホート研究を行った。
我々は、思春期には鬱病の兆候が見られなかった4142人における、続く7年の間の発症とメディアとの
接触の関連性を調べるため、National Longitudinal Survey of Adolescent Health (Add Health)を用い
た。鬱病については9アイテムのCES-Dで評価した。
追跡調査をした4142人(女性47.5%、白人67.0%)のうち308人から、鬱病と一致する症状が報告された。
ベースラインのCES-Dのスコアを含めた共変量をコントロールした結果、1日あたり1時間単位のテレビ
使用の増加に伴い、鬱病進行の確率が有意に上昇した。(オッズ比[95%信頼区間], 1.08[1.01-1.16])
さらに、1日あたり1時間単位の全メディアとの接触の増加に伴い、鬱病進行の確率が有意に上昇した。
(オッズ比[95%信頼区間], 1.05[1.0004-1.10]) しかし、ビデオ、コンピューターゲーム、ラジオとの接触と
鬱病の進行との間に一貫した関係性は見つけられなかった。若い男性と比べ、若い女性は同程度の
メディアとの接触では鬱病が進行しにくい。(オッズ比[95%信頼区間], 0.93[0.88-0.99])
思春期におけるテレビや全メディアとの接触が、青年期、特に若い男性の鬱病発症の確率の上昇と関連
付けられる。
URLリンク(archpsyc.ama-assn.org)
(翻訳・文責:かえりちりめんφ ★)