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副作用の少ない新薬開発などを目指して北大が二〇〇六年度から十年計画で民間企業と実施している
「未来創薬・医療イノベーション拠点形成」プロジェクトが、先進的な研究を支援する
国の科学技術振興調整費の交付対象に正式採択されることが確実となった。
これにより、総事業費約百二十億円の五割にあたる約六十億円が国から助成される。
同プロジェクトは、道内バイオ産業の活性化や医薬関連企業の誘致など、幅広い波及効果が期待されている。
審査結果は、二十二日の総合科学技術会議(議長・麻生太郎首相)で正式決定する運び。
同調整費は仮採択から三年で交付の継続を判断する審査があり、北大のプロジェクトは、
〇六年度に仮採択されていた。今回の審査対象は、東大や大阪大などが民間と実施中のものも含め九事業。
正式採択は三分の一程度にとどまる見通しで、北大や道内関係者は「ライバルは強力で今回の審査が
事業継続に向けた最大のハードル」とみていた。
同プロジェクトは塩野義製薬(大阪)、日立製作所(東京)と共同で実施。北大と塩野義は糖尿病などの
治療に役立つ副作用の少ない糖タンパク質などを開発。日立とは、がんなどを早期発見できる
新型の陽電子放射断層撮影装置(PET)を開発し、両分野の成果を融合し患者に優しい
創薬・医療の実現を目指す。
〇六年度以降の三年間で、塩野義は約十五億円を投じて北大構内に共同研究施設を建設し、
膵臓(すいぞう)がんなどの発症の早期判定につながる生体物質を発見。日立も直径三ミリ程度の
腫瘍(しゅよう)も鮮明に撮影できるPETを開発しており、着実に成果を挙げてきたことが評価されたとみられる。
同プロジェクトには仮採択中の三年間は年間約三億円が国から助成されており、
正式採択により新年度からは同七億円程度に増額される。また、塩野義が十年間で最大四十億円前後、
日立も同二十億円前後を拠出することで同意している。
北大大学院先端生命科学研究院の西村紳一郎教授は「大学と企業が『結果を出さなければ』という
危機感を共有できたことが大きかった。今後も連続的に実績を発表していきたい」と話している。
北海道新聞
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