08/12/19 07:26:48
米科学誌サイエンスは今年の科学の画期的成果の1位に「細胞の初期化」を選んだ。
山中伸弥・京都大教授らの万能細胞(iPS細胞)づくりがきっかけで研究競争が活発化し、
昨年の2位から順位を上げた。
細野秀雄・東工大教授らによる新タイプの高温超伝導物質の発見もトップ10に入った。
19日付の同誌に発表される。
同誌記者や編集者が選んだ。山中さんらはヒトの皮膚細胞に四つの遺伝子を組み込むことで
細胞をリセット(初期化)し、どんな細胞にでもなれる状態に戻した。
昨年11月のこの発表以来、世界中で研究が加速。今年はパーキンソン病や
筋ジストロフィーなどの難病患者から万能細胞をつくるなどの成果が報告された。
細胞の初期化ではほかに、マウスの膵臓(すいぞう)の細胞に直接遺伝子を入れ、
インスリンを分泌するベータ細胞に分化させた報告もあった。
こうした成果は治療に直接結びつく可能性がある。
同誌のロバート・クンツ副編集長は「生物学の新分野を一夜にして切り開き、
生命を救う医学的進歩という希望の光をもたらした」。
山中さんは「世界中の科学者と協力して、一日でも早い実用化を目指したい」と話した。
■08年の科学成果トップ10
(1)細胞の初期化
(2)太陽系外惑星の観測成功
―がん遺伝子変異の網羅的解析
―新しい高温超伝導物質
―活動中のたんぱく質の観察
―余った電力を蓄える新触媒の開発
―胚(はい)の発生する様子を撮影
―「良い」脂肪と「悪い」脂肪の解明
―陽子など粒子の質量を精密計算
―ゲノム(全遺伝情報)解析の高速化・低コスト化
※3位以下は順不同
ソース:asahi.com
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