08/11/22 01:04:08 BE:137988285-2BP(135)
「多次元理論」を証明する電子・陽電子対の観測に成功?
新しい実験において、暗黒物質の粒子の存在を証明する初めての直接証拠が見つかった
可能性がある。物理学における最大の謎の1つを解明する鍵となるかもしれない発見だ。
理論物理学者たちは、WIMP(Weakly Interacting Massive Particle)でできている暗黒物質が
宇宙の23%を構成していると考えているが、これまでWIMPの粒子のいずれかを直接観測
した人はいなかった。[WIMPとは、電磁気的な相互作用をほとんど起こさず、電磁波では
検出できない粒子からできている「冷たい暗黒物質」のこと]
物理学者たちは今回、ある種のWIMPが可視的な世界に入ることによって生じると予想され
るものとほぼ同量のエネルギーを持つ電子を計測したと発表した。
ルイジアナ州立大学のJohn Wefel氏を含む研究チームは、気球式の粒子収集装置『ATIC』
(Advanced Thin Ionization Calorimeter)を南極大陸の上空に飛ばし、電子を捕獲して電荷や
エネルギーを測定した。[過去記事「反陽子を観測する実験、日米チームが南極で実施」では、
文部省高エネルギー加速器研究機構・東京大学・神戸大学・文部省宇宙科学研究所・米国
航空宇宙局(NASA)・メリーランド大学などのチームによる南極での研究について紹介している]
この結果として研究チームは、WIMPの対消滅[粒子と反粒子が衝突し、エネルギーや他の
粒子に変換される現象]によって生成される、『カルツァ=クライン』的な電子・陽電子対を
発見した可能性があるとする研究論文を、11月20日付で『Nature』誌に発表した。
カルツァ=クライン粒子(KK粒子)は、宇宙の多次元理論によって[第5の次元方向に運動量を
持つ重量子として]存在が予測されている粒子で、長い間、暗黒物質の構成要素として有力
候補の座にある。
今回の新しい発見が確認されれば、時空の構成には、人間が知覚できる4次元だけでなく、
多数の「コンパクトな」次元があるという証拠になるだろう。
「カルツァ=クライン理論における対消滅の説明が正しいと証明されれば、こうした多次元宇宙
に関するより徹底的な調査が必要になるだろう。これは、われわれの宇宙の理解に重要な意味
をもたらす可能性がある」と、研究論文の執筆陣は結論付けている。
(>>2あたりにつづく)
WIRED VISION
URLリンク(wiredvision.jp)
An excess of cosmic ray electrons at energies of 300-800 GeV
Nature 456, 362-365 (20 November 2008) | doi:10.1038/nature07477
URLリンク(www.nature.com)