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名作生みだした情熱
初対面の人に「子供のころ見ていた戦隊もの」を聞くことがよくある。スーパー戦隊シリーズは1975年から続いており、
答えで相手の世代がわかるのだ。そこで年齢と関係なく多いのが「太陽戦隊サンバルカン」(81年放送)という答え。不思議に思っていたが、理由の一端を今回見たような気がした。
11月27日、東京・新宿で、戦隊シリーズ14作品で変身後のレッドを演じた新堀和男さんを中心にしたイベント「名乗り祭」を開いた。
新堀さんは、サンバルカンではバルイーグル役。
当日は、バルパンサーの伊藤久二康さんとバルシャークの柴原孝典さん、バルイーグルの変身前を演じた五代高之さんと主題歌の串田アキラさんも顔をそろえた。
そこで披露された五代さんの話には驚いた。
何発も爆薬を仕掛けた荒れ地をジープでジグザグ走行した時のこと。リハーサルなしでの本番撮影だった。
「爆薬のところにはススキをたててある」と言われ、ジープを発進させたが、煙や土でフロントガラスが曇り、どこがススキかわからない。
だが、経費も手間もかかるため、やり直しはできない。意を決してアクセルを踏んだところ、爆薬の真上を通過、爆発でジープの車体が浮いたそうだ。
怖くなかったのかたずねたところ、即座に「いい作品を作るためには死んでもいいと思っていたからね」という答えが返ってきた。横で新堀さんらも大きくうなずいている。
「ばかばかしい」と思う人がいるかもしれない。でも、その常軌を逸したような情熱こそが、名作を生み出したのではないか。
だからこそ、この作品には30年近い時を経ても、人々の心を揺さぶる力があるのではなかろうか。なるほど、と一人納得してしまった夜であった。
イベントの詳しい模様は、携帯サイト「NEWS読売・報知」(月額84円)の「美潮のヒーロー館」にも掲載している。
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