09/05/19 11:48:49 f5g7vZsR
>>769
さくら「お兄ちゃん、
またどっか行っちゃうのね…」
寅「さくら、…覚えてるかい、
この駅でよ。オレが16の時に親父と喧嘩して家出したら…」
さくら「そうね…確かにね、なんだかお兄ちゃんと別れるのが辛くてどこまでも
追っかけてったんじゃない?私」
寅「そぉよ、追っ払っても、追っ払ってもよ、え、おまえ泣きべそかいてよちよちくっついてくるんだろう、
オレ困ちゃったよ。でも、そこの改札のところまで来たらあきらめてよ、
これ餞別よってオレに渡しておまえ帰ってったろ。電車乗ってそれ開けてみたらよぉ、
こんな真っ赤なおはじきが入ってやがんのオレ笑っちゃったよ。」
さくら「そう・・・・・ねぇ、お兄ちゃん、もうお正月も近いんだしさ、せめてお正月までいたっていいじゃない?」
寅「そうもいかねえよ、オレたちの稼業はよ。世間の人がコタツにあたってテレビ観てるときに、
冷てぇ風に吹かれて鼻水たらして声を枯らしてものを売らなきゃならねえ稼業なんだよ。
そこが渡世人のつれぇところよ…」