08/12/18 16:35:52
<桂三木男さん>「いつか『芝浜』を」叔父三木助の夢追って (毎日新聞)
名人と言われた落語家、3代目桂三木助(1903~61)が得意とした年の瀬の人情噺(ばなし)、「芝浜」の話芸
を継ごうと努力していた4代目三木助さん(当時43歳)が自殺して間もなく丸8年。4代目のおい、桂三木男さん
(24)が、落語家になり再びファンの期待を集めている。「いつか、4代目が励んでいた『芝浜』をやりたい」と夢を語る。
4代目は、3代目が55歳で授かった初めての男児。大学在学中に5代目柳家小さん(故人)に入門し、華やかさと
うまさでたちまち売れっ子となった。
ところが、01年1月に自宅で首をつり自殺。芸に悩んでいたという話もあるが、動機ははっきりしない。母親の
小林仲子さん(80)は「なぜ」と自問し自分を責めたという。
三木男さんは4代目の姉茂子さん(53)の長男。4代目の急逝後、叔父が何をやろうとしていたのか、理解しようと、
落語を取り付かれたように聴き、噺家になることを決めた。仲子さんや茂子さんは猛反対したが、2年がかりで説き伏せた。
三木男さんは大学を中退し03年5月、金原(きんげん)亭馬生さんに入門。真夜中、自室でけいこする三木男さんの
後ろ姿に、仲子さんは「どうか守ってやって」と4代目の仏前に手を合わせたという。仲子さんは「長生きして4代目
の分まで応援しないとね」と目頭を押さえた。
三木男さんは21日から、4代目の形見の扇子を手に東京・新宿の末広亭の高座(夜の部、交代出演)に上がる。【合田月美】
◇立川談志さん「血の流れを感じた」
DNAだかなんだか知らないが、親子三代の芸の系譜というか血の流れを感じた。名人と呼ばれるのを見届けられるかは
分からないが、いずれいい噺家になるだろう。
■芝浜
酒ばかり飲んで仕事をしない魚屋の亭主が大金の入った財布を拾った。女房はそれを夢だと信じ込ませ、店を持つまでに
なった3年後の大みそかの晩、本当のことを告白する。3代目桂三木助が存命中は他の落語家は演じなかったと言われている。