09/09/22 09:49:59
中にはまた、万年前座てんで、生涯前座でいた人もある。(中略)
今の芸人は、どんなまずい人でも、「お前を真打にしてやる」って言えば、「さよですか」と喜んでなるでしょう。
そこへ行くと昔は、おのれの芸をちゃんと知って、出世をしたがらないと言う人があったんですよ。
「お前、どうだい、二ッつ目になったら…」「いえ、あたしァもう、二ッつ目になる噺家ではございません」とこう
言って、いくらすすめても絶対にならない。そのかわり、あれを置いとけば、寄席で困らないというような、つまり
一流の前座として使える人間になればいいという考えがあったんでしょう。
六代目圓生の『寄席育ち』に出てくる、こんな「万年前座」の人が書いた本なら読んでみたい…