10/04/15 20:14:03 ziFwzno4
大潙和尚が臥せていたとき、弟子の迎山がやつてきた。
大潙は壁の方に向きをかえて臥した。
迎山がいうに 「私は和尚の弟子です。どうかお改まりくださいません様と」。
大潙は臆する様子をした。
そこで迎山が部屋を出ようとすると、大潙は、「迎山よ」と呼び止めた。
声に応じて迎山は引き返した。
大潙が言うに、「夢を見ていた。話すから聞いてくれ」
迎山は頭をたれて、拝聴の姿勢をとった。
つまり大潙が夢を説いたのである。
大潙が言うに、「私のために、今の夢を解いてくれないか」と。
そこで迎山は、盆一杯の水と、ひとすじのタオルを持参した。
大潙はそれで顔を洗った。
洗い終わって、やっと座ったところへ、香厳がやって来た。
大潙が、香厳に向かって言うに、大潙「私は、たまたま迎山とすばらしい神通をやっていたところだ。ちっぽけなものじゃないよ」
香厳「私は下のほうにいて、十分に見せてもらいました」
大潙「おまえ、試みにその神通について云ってみよ」
そこで香厳は、一椀の茶を点じて持参した。
大潙が賞賛して云うに、「おまえたち二人の神通・知恵は、舎利仏・目蓮よりもはるかに秀でているぞ」と。