09/10/18 03:41:06 yyElVVft
>>164-168
仏教経典(ゴータマの教え)それ自体は、生きている人間のための“必要な生き方”が説かれ
たものです。ですが、葬儀での読経の意義とは、“死者のために説いて欲しい”といった遺族側
の願いが込められているのだと思う。つまり、生前はいろいろあった故人だったが、せめて死後
には心を入換えて正しい道に至り、そして幸せになって欲しい、といったものでしょう。
それが死者に戒名を付す習慣ともなった(本来的には生きている内に仏門入りして、多くの場
合には出家僧に与えられるもの/それまでの世間名は「俗名」という)。
そういう意味では葬儀の読経は遺族のために説いているわけです。そして葬儀に際して、改め
て仏教の説く基本的な真理であるところの「無常」の教えについて学ぶ機会とされるわけです。
尚、特異な経典としては、“チベットの死者の書”『バルド・ソドル』という密教経典があります。こ
れは死者が次の再生(転生)に至るまでの死後49日間において体験する中陰(バルド)期間の出
来事、死者が再び子宮に宿るまでのその詳細とその時その時の心構えなどが説かれています。
つまり、生前にこの経を読んでおけば心配がない、ということになるのです。