09/09/05 22:09:43 5o6Gi8Ag
ここまで言い切って良いものか、という思いもあるが、梅原の主張は、充分説得力を持つものである。
この一神教と多神教の対峙は、そのまま西洋人の考え方と東洋人の考え方の違いを考える上で重要である。
西洋人の思考の論理は、真理というものをどこまでも、論理で求めて、真理というものを得ようとする。
それに対して、東洋人の思考法は、真理を求めるというよりも、真理を求める過程やその時の姿勢や態度の有り様を重視して考える。
この真理に至る考え方は、「巡礼」というものの違いにもよく表れている。
西洋では、巡礼と言えば、聖地と言われる所を目指して、ひたすら歩いて行くことに徹するものである。
そこには到着すべき明確な場所というものがある。
日本の場合は、巡礼と言っても、四国88カ所を巡る「お遍路さん」に代表されるように、
聖地周辺の道に点在する寺々を廻って歩くことに意味がある。ここに一神教の巡礼と多神教と違いがよく表れている。
一神教においては、聖地にたどり着くことが目的だが、多神教の場合は、むしろ発心をして、歩くことに意味がある。
一神教と比べ多神教の思考法は、悪く言えば曖昧とした部分があるが、よく言えば他に並び立つ神を即座に否定して邪教と断じることはない。
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