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從容録二 【達磨廓然】 だるまくわくねん
梁の武帝がだるま大師に問う
「聖人として大切なことの第一番とはどんなもの
でしょうか? 」
だるま 「この城に聖人はいません (廓然無聖) 」
武帝 「それなら、私の前のあなたは誰でしょう? 」
だるま 「わかりません (不識) 」
武帝はだるまを迎え入れず、大師は遂に長江を
渡って少林寺に至り、そこで壁に向かって座禅の
行をすること九年と伝わっています (面壁九年)。
頌云、
廓然無聖、來機逕庭。聖人はなく、その小道から来るもの
得非犯鼻而揮斤、斧をふるうもその尊厳を冒さず
失不廻頭而墮甑。振り返ると (割れた) 瓶がムダになり
寥寥冷座少林、ひっそりと少林寺の冷たい床に座り
默默全提正令。何も語らずそれにしたがう
秋月轉霜輪、秋のつきから霜の輪がみえる季節になり
河淡斗垂夜柄。川に氷とつららが垂れ夜の柄杓となり
繩繩衣鉢付兒孫、その衣鉢は弟子に代々受け継がれ
從此人天成藥病。その教えはひとびとの病をいやす
くすりとなるでしょう・・
(注) 廓然無聖は辞書に 「からりとしてこころにわだ
かまりがないさま」 とあるけど、これって誤訳 ? ? ?
非犯鼻は、大胆かつビミョー、不廻頭は過去を振り
返らないたとえ、衣鉢は相承のシンボルです。