09/08/29 09:04:22 UJQyq3wR
へきがんろくの十【睦州掠虚頭漢】ぼくしゅうりゃく
きょとうのかん
示していわく・・・もし最上のレベルに達したなら
そこで得るものは、釈迦、彌勒、文殊、普賢、千聖萬聖
天下の宗師も、あまねく皆な気を飮み声を呑まん・・・
睦州が僧に問う 「どこから来たんだい? 」
僧 「かーつっ ! 」
睦州 「じっちゃんはあなたに一喝されちゃったな」
僧はまた 「かーつっ ! 」
睦州 「三回目と四回目も喝を言ったら、その後は
どうなんのかな? 」
僧 「・・・(無語)」
睦州はすかさずその僧を打って言います。
「虚空のあたまを掠め取ったような男だな」
※この若い僧は一喝のやりかたしか知らなくて、仏が
なにかまだわかっていないようです。睦州はそれを見て
「老僧汝に一喝せらる」 とじっちゃんのフリして無の感覚
を伝授しますが、これが一回目。僧はまた一喝で返しますが、
他になんかないか? と聞かれ手詰まりになってしまいます。
睦州の言う掠虚頭とは、他人が解説する仏の現しかたを
盗んだという意味でしょうが、これにはもうひとつの意図も
読み取れて、イメージとしての自分の頭を取り去ればそこに
無の感覚が現れるという二回目の説法のようでもあります。
中国禅話は意味が二重三重にうらおもてあって、なかなか
楽しめる知的お遊びというか・・・