09/08/27 18:43:52 EL2zWoTm
>>363
宋代以降の禅についても、三つの型に分けて禅思想の特色を述べたい。
第一の型は、念仏禅である。中国の実践仏教を展開したものに浄土思想がある。
中国の浄土思想は、坐禅して仏を見る観想念仏の伝統をもっているので容易に禅と結びついたし、浄土を唯心に説く流れも存在した。
つまり、阿弥陀仏は外ならぬ己心のあらわれという主張と即心是仏を説く禅が結びついたのである。
さらに、根源の道に還ればすべての教えは一つであるという中国土着の思想は、一からあらゆる思想が派生するという考えをも許容するので、総合主義の仏教としての念仏禅が生まれた。
永明延寿(九〇四~九七五)が禅浄融合思想者として有名であるが、宋代雲門宗の人々や中峰明本(一二六三~一三二三)にも念仏と参禅の不二を説く思想が伝えられている。
明代以降は「念仏する者は是れ誰ぞ」という公案は大変な流行をみるし、儀礼の中にも混淆形態が多くなるのである。