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顕正会のバイブルともいえる書物に「折伏理論解説書 日蓮大聖人の仏法」がある。
初版発行は平成元年6月28日。顕正会は当時まだ「日蓮正宗」の冠を謳っていたが、
平成9年11月の法人格取得・自称「冨士大石寺顕正会」への改称を皮切りに、
平成11年5月の「本部指導会」における浅井の「66世・67世相承断絶」指導で、
日蓮正宗と決別した「在家路線」への転換を加速。その直後の同年11月、浅井は同著
を「改訂」とし、大幅に加筆して販売した。
初版当時は、翌平成2年の「開創七百年」を機に大石寺が「本門寺」に改称されると
いう浅井の脳内妄想が最高潮に膨らんでいた時期で、「誑惑完結の陰謀を打ち砕き」
などと自分に酔いしれている様子が書かれているが、それから10年近く経ち、
「本門寺改称」など起きもせず、平成10年4月に「不思議の還御」が実現し、
「御遺命守護」が完結したはずなのに一向に大石寺には相手にされず、
「御遺命守護完結で宗門復帰できる」と信じ込んできた古参会員らの離反を
招きかねないと案じた浅井が行ったのが「第九章 日蓮大聖人の御遺命」
「第十章 御遺命守護の戦い」なる2章の加筆による改訂だ。
「御遺命守護の戦いの顛末」なる約120頁に及ぶ文章を追加しているが、その内容
たるや、まず「第八章 日蓮正宗の歴史」という章を「冨士大石寺の歴史」と改題し、
いかにも自称「冨士大石寺顕正会」こそが正系門下唯一の正統だと思わしめようとした。
また、追加された2章も何のことは無い、平成2年から3年にかけて一般書店でも
販売された浅井の2書物の焼き直しで、改訂版283頁にはあの有名な
「一千万を平成25年までに成し遂げる」という誓願を載せている。現在では
「一千万」は顕正会のタブーなのだが。
ところが、浅井が平成16年に「三百万を平成26年までに」と誓願を改定した後も
「一千万」が掲載されたままになっていたこのバイブル、今年8月の男子部大会で
「三百万を平成33年までに」と大幅な誓願後退を発表したのを機に再改訂される
ようだ。