09/04/05 19:03:59 ELtrPsvG
おや静かになったね。
(インターミッション)
あるたんぱく質が、生命現象においてどのような役割を果たしているかを知る
ためには、そのたんぱく質が存在しない状態を作り出し、そのとき生命にその
ような不都合が起こるか調べればよい。
膵臓細胞のGP2遺伝子は、GP2たんぱく質をつくり、分泌顆粒膜の維持と密接な
関連があると考えられていた。DP2がなければ細胞膜は無秩序となり、膜が組織化
できなくなり、分泌顆粒を形成することなど絶対できないはずである、と思われ
ていた。
ところがGP2遺伝子を完全にノックアウトしたマウスでは、GP2たんぱく質が一切
存在しなくてもマウスには何の不都合も発生しない。台形の膵臓細胞。丸い核。
棒状のミトコンドリア。その中に散在する完全な球形をとった分泌顆粒。
異常はどこにも見当たらなかった。
GP2たんぱく質をつくるGP2遺伝子が、アメリカ細胞学会に発表されたというのは
偽りであったのか? そうではない。かれらは確かにGP2遺伝子の構造を突き止めたのだ。