09/01/06 21:48:49 po+wSoAQ
カエサルが、自らがその子孫であると度々公言していた女神ヴィーナスとは彼の守護神イシュタル=瀬織津姫様のことだ。
彼が生まれた当時のローマは搾取と収奪が常態化して正す者もなく、極端な格差社会となっていた。
カエサルは幼い時にかつてのグラックス兄弟の悲劇を聞いて大変な衝撃を受けた。
二人はローマを正そうとして立ち上がったが一度ならず二度までも、兄に続いて弟まで私欲にまみれた寄生虫どもに殺されてしまう。
この事実は、カエサルの幼い心に大変なショックを与え、一生の間彼の行動に影響を与え続ける決定的な要因となった。
彼が貴族との交際よりも平民や属州民との付き合いを大切にしたり、私的な蓄財に関心を示さなかったこと、共和政に幕を引こうとしたことなどは全てこの経験がその理由だ。
彼はこの事件によって共和政と称する寡頭貴族政のローマでは正義は通らず、自らを律する能力も無いことが証明されたと考え、共和政に見切りをつけた。
元老院という寡頭政体の決定的な欠陥は責任の所在が不明で誰も責任を取らないために自浄能力がなく、おまけに元老院議員同士がライバル関係にあるため、競争する必要があったことだった。
競争の一番の要素は金だ。
金は力であり、政治の世界で上へ昇るためには必要不可欠なものだ。
そのため元老院議員は出世競争のために富を求めることになり、競い合いながら民衆から搾取と収奪を繰り返していった。
しかし責任を取る者がなく、行き過ぎが正されることがないため、腐敗が進んで民衆は疲弊していった。
この状態で唯一支配者としての責任を果たそうとしたのがグラックス兄弟だったのだ。