08/10/09 10:05:55 hem8j7fW
『それから計6回にわたって来院のたび上記のような事が繰り返され
この親子は救急外来の名物となりました。
まだあどけなさを残したような彼女の残忍な自傷行為と、
それ以上に残忍な母親の態度にです。普段冷静な救急部のスタッフも
彼女に同情し、「絶対に助けてあげるからね」とナースたちは声を掛け
医師たちは憤慨しました。
私が彼女の来院を担当したのは3回でした。そしてその3回目で
彼女は無念にも亡くなってしまいました。
首にある重要な血管にかみそりを思い切り突き刺し、
1cmも刃の部分の無い物でそこに到達させたのです。
ためらった跡はありませんでした。たったひとつ、4cm程度の傷でした。』
『血管に傷を付けた瞬間に、血液は吹き上がり助かる見込みは
ほぼ無かったと言って良いでしょう。母親は救急車を要請し、
・・・
救急車が到着し、扉を開けたとき、無念な気持ちで一杯になりました。
車中が血液で真っ赤だったのです。すでに死亡確認もされ、
何分も経っていました。 それでも運び込み蘇生を試みました。
そこに居たすべてのスタッフは奇跡を願いました。
反応が出て欲しい、必ず精神科に受診させる、彼女の
これからの人生を助けよう、そう思いました。そこへ母親は
飛び込んできて、こともあろうかこう言ったのです。
「輸血しないで下さい!」私は怒りで一杯でした。
外科医は「あんたの娘さん、死んでるんだよ!」と叫びました。』