08/09/29 10:35:44 AE6/tNhr
ところでユゴーの「93年」と言う小説はとてもお勧めです。
私はコルベ神父の伝記と同時期に読んだのでより感慨深いものがありました。
「93年」は身代わりに処刑されることを覚悟で、死刑を宣告された「敵」を
逃がして処刑される男の話です。
以下はネタバレ
両親を失った貴族の子弟であるゴーヴァンは叔父ラントナックの計らいで
神父シムールダンの養育と教育を受けることになります。
ところがこの神父さん、貴族の屋敷で暮らすうちに社会矛盾を感じたのか信仰を
かなぐり捨て、成長したゴーヴァンをつれてフランス革命に身を投じ、その際に
師弟の出奔を止めようとした王統派のラントナックとは不倶戴天の敵になって
しまいます。
時は流れ恐怖政治の時代。
神父は革命政府のお偉いさんになり、ギロチン処刑の裁定を下す様な立場の
人間になっていますが、ゴーヴァン(革命軍司令官)とラントナック(王統派司令官)が
戦場で戦うことになり、ゴーヴァンが裏切らないか見張ることを命じられて戦場に
来ます。そしてゴーヴァンの有能さや、革命に対する信念については信じている
けれど、優しさから敵に対する寛容さをみせるのではと心配しています。