08/08/11 23:14:44 D/QWJZmf
新約聖書には、書簡の体制をとった文書がいくつかある。
普通、それらには「宛先」が限定されている。
例えば、「ローマの信徒への手紙」とされている文書の内容は、現代の日本人
にも適用されるべきものだろうか。
宛先で限定されている手紙の内容を、その範疇を拡大して適用してしまうと、
新約聖書の側の立場からは、そのような者たちを宛先で限定されている範疇
の内部に、組み入れるような力が働くことになりはしまいか。
例に挙げた「ローマの信徒への手紙」は、パウロの真筆の手紙の中では、
神学的議論がかなり整理され、展開されているものではある。
しかしこの手紙は、例えば「全てのキリスト教徒への手紙」とはされていない。
あくまでも、「ローマの信徒への手紙」とされている。
「ローマの信徒への手紙」とされている文書の内容を、現代の日本人にも
適用しようとすると、「現代の日本人」が新約聖書の立場からは「ローマ
人たち」の範疇に組み入れられることになりはしまいか。
耳のある者は聞くがよい。