09/05/17 12:07:28 Iz5ET1pY
親鸞の主張を冷静に考えたい。誹謗正法がなぜ問題になるのか。
この愚痴の人、すでに誹謗を生ず。いずくんぞ仏土に願生するの理あらんや。
愚かな人は正法を誹謗する。そのような人がどうして極楽浄土に往生することがあるだろ
うか。少なくとも、正法を誹謗する限り、極楽浄土に往生することはない。
衆生において何の苦悩あればか、五逆の重罪に踰えんや。答えて曰わく、もし諸仏菩薩、
世間・出世間の善道を説きて、衆生を教化する者ましまさずは、あに仁・義・礼・智・信あるこ
とを知らんや。かくのごとき世間の一切善法みな断じ、出世間の一切賢聖みな滅しなん。汝
ただ五逆罪の重たることを知りて、五逆罪の正法なきより生ずることを知らず。このゆえに謗
正法の人はその罪もっとも重なり、と。
誹謗正法は、五逆の重罪に優る重い罪である。それはなぜか。正法は道徳の基礎である。
世の中に仁・義・礼・智・信という道徳があるのは、諸仏菩薩、つまり社会の優れた教育者達
が、平常時あるいは危機の時の善道を説き、人々にあるべき姿を教えているからである。正
法が誹謗されれば、世間で大事なあらゆるルールが損壊し、危機管理を教える哲人達も全
て消えてしまう。
五逆罪は大きな罪であるが、それは正法が誹謗されて生じることを忘れてはいけない。だ
からこそ誹謗正法を禁じているのだ。
ただ如来、それこの二つの過を造らんを恐れて、方便して止めて「往生を得ず」と言えり、
またこれ摂せざるにはあらざるなり。
阿弥陀仏は、十八願で、五逆の罪と誹謗正法の者を、極楽浄土に往生できないと言って
いる。これは仮にそう言っているのであり、本当に極楽浄土に往生できないということではな
い。