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「我汝の苗裔にこの地を与へん」。「汝が観る所の地は我之を永く爾と爾の裔に与べし」。
旧約聖書のこうした記載というのは、決して旧約聖書だけではない。堂々と日本神話にもある。
その意味では、一概に記載者だけを責めることはできない。しかし、後世、特に現代に与えた甚
大な影響、今日の軍事的国際的問題を考えた場合、原点に秘められている神の啓示という虚
構の本質を明確にすることは、現代における宗教学の重要な宿題だろうと考える。これは、阿弥
陀仏には決して存在しない神だけの問題である。
「我汝の苗裔にこの地を与へん」。こうした記載は、ユダヤ・キリスト教だけの特別な記載でな
い。ユダヤ・キリスト教の欺瞞的な神秘性・呪術性を解く意味で、日本神話を紹介しよう。
伊弉諾尊(いざなきのみこと)・伊弉冊尊(いざなみのみこと)共に、議(はか)りて曰(のたま)は
く。吾已(すで)に大八洲国(おおやしまのくに)、及び山川草木(やまかわくさき)を生めり。何(い
かに)ぞ天下(あめのした)の主(ぬし)生まざらむ。とのたまふ。
伊弉諾尊・伊弉冊尊は協議して、既に日本列島と山川草木を生んだ。二人は、日本列島に君主
を置こうと相談した。
是に、共に日の神を生みまつります。大日〓貴(おおひるめのむち)と号す。〈大日〓貴(おおひ
るめのむち) ~ 一書に云く。天照大神(あまてらすおおみかみ)といふ。自づから当(まさ)に早
(すみやか)に天(あめ)に送(おくりまつり)て、授(さづ)くるに天上(あめ)の事(こと)を以てすべし
とのたまふ。是の時ときに天地(あめつち)相(あひ)去(ること)未(いま)だ遠からず。故、天のみ
柱をもって、天上に挙(おくりあ)ぐ。
二人は、長女の天照大神を生み、高天原の君主に定めた。
次に月の神を生みまつります。一書に云はく。月弓尊(つくゆみのみこと)。月夜見尊(つきよみ
のみこと)。月読尊(つきよみのみこと)といふ。故、亦(また)天に送(おくりまつる)。次に蛭(ひる)
児を生む。已に三歳になるまで猶(なお)脚(あし)立たず。故に天磐〓樟船(あまのいはくすふね)
に載せて風の順(まにま)に放ち棄つ。