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アダムが祭った先祖は、聖書ではアダムの両親だけということになっている。しかし、人の
自然な感情としては、わかっている自分の先祖の全て、十人を祭ったのではないか。わかっ
ている自分の先祖の中の最古の先祖は、アダムの親である。恐らく、モーゼ以降の編集が
加わっているはずである。些末な書き換えを排除し、議論の骨格を見失わないことが大事だ
ろう。
アダムの親は大変な足跡を残した。アダムの親は時間を計るということを開始した。そこか
ら派生し、これによってその後の事象が時系列的に記録できるようになった。アダム以後の
男系の家系はこれによって諸事象を記録し、歴史を記録してきた。アダムからノアまで、先祖
の名が記録され、伝承されてきていたのだ。
虹雲の中にあらん我之を観て神と地にある都肉なる諸の生物との間なる永遠の契約を記念
えん。神ノアに言たまひけるは是は我が我と地にある諸の肉なる者との間に立たる契約の徴
なり(創9-16)。
この後、神はユダヤ民族との間に数々の契約を立てていく。その契約の第一号がこのノアと
の契約である。
人は互いに殺し合ってはいけない。神はもう二度と人々を呪うことはしない。子孫を増やせ。
神はノアにそのように諭したという。先祖を大切にし、人々と互いに争わなければ決して不幸は
こない。かならず救いがある。困難は克服できる。洪水で九死に一生を得たノアの心が伝わっ
てくる。
なお、この契約は現代に深く通じているということは注目すべきである。国家は為政者と人民
との間で契約で結ばれている。現代の社会契約論はそう教える。社会契約論の起源は、聖書
のこの考えにある。現代社会の憲法・法律の思想的背景は、ノアと神とのこの契約にまでさか
のぼるということは知っていて損はないだろう。