08/10/11 14:48:45 xw9ZIhzW
>>622の
---つづきです
彼女は後ろを振り向きながら勢いよく走ってきて、このわたしにいきなりドスンとぶつかっ
て来た。そして謝ることもなしに、わたしの服を掴んでグイグイと引っ張りながら、こんな不
可解なことを口走ったのです。
彼女は脅えながらこう叫んだ。「あのポスターが光った!本当に光ったんだから・・。一体、
あのポスターは何なの?」
それは、わたしが貼ったクレーム来日講演会のポスターだったのでホント驚いた。
わたしは、慌てふためいている彼女をなだめるようにしてこう話しかけました。
「あれは講演会のポスターなんです。間違いなくこの僕が自分で貼ったものだから、そん
な怪しいものではないですよ。だからどうか安心して下さい。あなたはたぶん、あの夕日の
光がポスターに反射したのを見たんだろうと思いますよ」と。
わたしがそういうと、彼女は「ハッ!」と凄い驚いた表情をして突如、わたしから逃げるよう
にして走り出し、そのまま道路の向こう側のデパートへ入っていったんです。
そしてザワッときたのは、そのデパートの扉を閉める際の彼女の様子でした。こちらを凝
視しながら、何やらニヤリと奇妙な笑みを浮かべつつ、ゆっくりと扉を閉めたんです。それは
とても奇怪な行動でした。
そのときの彼女の眼つきが、わたしの脳裏には今でもズーと消えずに残っています。