10/05/22 17:07:17
店内はほぼ満席。どの席を見ても、机の上には教科書や参考書で、さながら
図書館の自習室のようだ。空のカップを置いたまま、ノートに鉛筆を走らせてい
る人も多いし、待ったところで席は空きそうにない。
ふと、空いているソファー席を見つける。
「三人掛けか…」
一人で三人掛けは気が引けるが、ここしか空いていないのだから仕方がない。
やれやれと腰を下ろし、アイスラテを二口ぐらい飲んだところで、店員がにこやか
に声を掛けてくる。
「お客様、何名様でご利用ですか?」
店の外で、まだ二口しか飲んでいなかったアイスラテの続きを立ったまま飲む。
「これだったら、100円の缶コーヒーでよかったな…」
ふと、店内を見ると、さっき座っていた席に三人組が案内されている所だった。
『お一人様はご遠慮下さい』
席にこういう札でもあれば、320円を無駄にしなくて済んだのだが。
~ お一人様とショートラテ -end- ~