08/11/09 18:14:40 z1FNemu7
食品加工中堅のキャセイ食品(東京)が、中国産の冷凍野菜を国産と偽って販売していたことが、
朝日新聞社の調べでわかった。同社は、生活協同組合や学校給食向けの商品を製造しているほか、
マルハニチロ食品(東京)の冷凍野菜商品の製造委託なども受けており、産地偽装された一部商品が
流通した可能性が高い。農林水産省も調査しており、近くJAS法違反でキャセイ食品に改善を指示する。
偽装の舞台は、長崎県南島原市にある同社の長崎工場。同社役員によると、同社は地元を中心に
約160軒の契約農家から国産野菜を仕入れ、冷凍加工して出荷。しかし、01年ごろから、中国産と
国産の冷凍野菜を混ぜ、「国産」「九州産」として出荷していた。商品としてはサトイモやインゲン、
ブロッコリー、カリフラワー、オクラなどがあるという。
同社は約300社と取引がある。水産最大手のマルハニチロホールディングス(HD)によると、キャセイ
食品との取引は90年ごろに始まり、長崎工場へはマルハニチロ食品の冷凍野菜11商品の製造を委託。
キャセイ食品に国産を使うよう指定していたが、中国産野菜を使った豚汁の具材など一部商品が「国産」
として全国で売られた可能性が高いとみられている。
マルハニチロ食品は現在、11商品の出荷を止めているが、マルハニチロHDの広報IR部は「現時点で
偽装があったと確認できていない」として自主回収はしていない。
キャセイ食品は68年に創業した中堅企業で、栃木工場では調味料を製造。97年に操業を始めた
長崎工場では、今年5月に冷凍野菜の産地偽装事件で長崎県警に逮捕され、有罪判決を受けた
ニチエイ食品工業(長崎県島原市)の実質的経営者が勤務していた。
キャセイ食品の役員の一人は「原料不足を補うためだった。国産野菜の原料費が高くなったうえ、会社が
経営的に苦しい状態で、消費者の国産志向にも応えたかった」と説明している。(安倍龍太郎、歌野清一郎)