08/09/24 19:03:46
夕陽も落ちた空の下、コンビニ「ベリマート」へとひた走る。肩上で不揃いに跳ねた髪が軽く風に揺れる。
「うう~、急がないと閉まっちゃうよ」
午後七時過ぎ。ベリマートは七時半には閉店してしまうので、せくせくと駆け足。
店のおばちゃんを起こせば二十四時間買えるらしいが、そんな非常手段に訴えるほどの買い出しではない。
が、急いでいるときは、とかく注意が散漫になってしまうもの。
道の曲がり角で―どんっ。
見事、勢いよく、通行人と衝突。互いに尻餅をついてしまう。
「いたた……わわっ、ごめんなさい、怪我はありませんか!?」
自分の心配もそこそこに立ち上がると、今しがたぶつかった相手に、あたふたと声をかける。
ゆっくりと腰を起こす対象者を視界に収めた瞬間、ツンデレの足が硬直した。
腰まで届くなめらかな薄桃色の髪が、エメラルドグリーンを連想させる翠の瞳が、純白の雪のように白い肌が、明かりの燈った街灯の下にうっすらと浮かび上がった。
外国人と思しき少女。
見た目は、ツンデレ同様の幼児体型だが、紺色で統一した、洒落たデザインのベレー帽と、落ち着いたゴシックロリータ調の足首まで掛かる衣服は、まるで意思を持った西洋のアンティークドールのような幻想感を抱かせる。
可愛らしさと綺麗さを併せ持ったその風貌に、ツンデレは、一時、見惚れた。
それから、ハッとして、
「え、えっと、あのっ! え、えくすきゅーずみー、どーゆーのー、あんだすたんっ?」